日本クラシック音楽コンクール&ブルクミュラーコンクール審査


今秋はコンクールの審査をいくつか務めさせていただきました。

 

本番…特に合否や点数が出るコンクールへの準備にどれほどの苦労があるかということは理解しているつもりなので、それに対して評価を付けることに重い責任を感じます。

いずれのコンクールも、参加者の方々にとって次の目標へと繋がる機会になれば良いなと願いながらの審査となりました。

 

・第33回 日本クラシック音楽コンクール 本選@府中の森芸術劇場ウィーンホール

自由曲のため幅広い選曲が可能なコンクール。曲の難易度と完成度の両方が求められる難しさを噛み締めながら聴きました。難しい曲に挑戦することは素晴らしいことなのですが、曲に弾かされてしまって音楽性がいまひとつ詰められていないのは惜しいように思います。

また、残響の多いホールでの響きのまとめ方、音色の選び方が秀逸な演奏が多かったです。 

 

 

・ブルグミュラーコンクール^千代田地区予選@紀尾井町サロンホール

参加者なんと約180名(!)今回の参加を入り口に、ピアノコンクールの世界に足を踏み入れる方も多かったと思います。今後のピアノ人生への応援の気持ちを込めて講評用紙を書かせていただきました。

 

短い曲でありながら、美しく弾くことはなんと難しいことか……。細やかな部分まで行き届いた演奏も多く、レベルは高かったように思います。少し残念だったのは、同じ曲が続いてしまったときに、前の子の演奏に引っ張られて似たような印象になってしまうことが多かったこと。

一音目から、いかに聴衆の耳をひきつけ続けるか、音楽の起承転結をどう作りこむか、そしてまわりに惑わされず、自分の音楽に自信をもって集中できるかが鍵となるように感じました。

 

審査をご一緒させていただいた 鎌田 裕子 先生(写真中央)、濱田 眞子 先生(写真右) は私にとってはお二方とも以前からお世話になっている経験豊富な先生方で、とても頼もしく、安心して審査を終えることができました。

また、長年お世話になっている主催の千代田支部代表庭山さんはをはじめ、スタッフの皆様の細やかなお心配りに、心から感謝申し上げます。 本当にありがとうございました。