先日、日暮里サニーホールでのリサイタルが無事に終演しました。
今回は「イメージと幻影」をテーマに、音楽家たちが何を感じ、想像し、どのように音楽に落とし込まれていったのかを感じていただけるような作品たちを選んでみました。
プログラムの中心としたムソルグスキーの組曲《展覧会の絵》は学生時代から、いつか演奏したいと思っていた作品のひとつでした。聞き覚えのある、有名なメロディも多い作品ではありますが、作品が生まれるきっかけとなったのがムソルグスキーの画家の友人・ヴィクトル・ガルトマンの早すぎる死であったというのが、この作品の持つ切なさであり、怒涛のエネルギーの根源でもあるのかなと思います。
終演後、聴きに来てくれた私の友人が「《展覧会の絵》の後半、『リモージュの市場』と『カタコンベ』の曲想の対比が、生と死を表しているように感じた」と感想を寄せてくださり、胸がいっぱいになりました。
厳しい状況が続く中、このような会を開くことができ、演奏する歓び、音楽を共有する歓びを改めて実感した夜になりました。演奏会を支えてくださった皆様、ご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。